市松人形の部屋

 サイトを移転するにあたって、改めて見直してみると、市松人形の部屋の放置ぶりが甚だしくて驚きました。

 けれど、手をつけてみて、すぐにいくつかの理由に思い当たりました。

 まず、集め出したのが古過ぎて記憶が定かじゃ無い事、傷んで居る子の修理や着物が不完全で写真を撮る気にならない事、現代の市松人形と昔の市松人形は一緒に扱うのか別なのか、別だとしたら線引きはどこらへんなのか分からない事、そして一番の理由が、釘や接着剤で着物を留め付けてある子の着物を脱がして銘等を確かめるのが面倒な事。

 それらの理由で躊躇しているうちに容量が一杯になって、更新出来なってしまっていたのです。

 さて、問題は山積していますが、前に進まないといけません。気まぐれにご紹介して行く事に致しましょう。着物を着たままで、銘を確認していない子もおりますがお許し下さいませ。

 

 画像をクリックすると説明と大きなサイズで見られます。

 

 

    

京香
旭光齋 小野寺作 日本玩具統制教会のシールつき 41cm 昭和初期(昭和17年頃)
釘で、留めつけてあった帯の芯に古新聞を使用していました。昭和17年(1942年)年1月11日大阪新聞夕刊で、記事はオアフ島の真珠湾の地図や、大東亜戦争の記事。真珠湾攻撃はこの記事より1ヶ月前の昭和16年12月8日のことでした。
品良い顔立ちで、お気に入りの子です。この子には魂があるのか、開かずの間の155話「女の子」で、書きましたが、息子を誘いに来た事がありました。きっとあどけない優しい魂だろうと思います。
松と楓
銘不明(多分無し)、38cm、34cm
記憶が怪しいのですが、古い市松人形としては一番最初に手に入れたのがこの子達だったと思います。
アンティークドールを見に銀座に行くと、松屋デパートで骨董フェアを開催していました、そこで買った古ぼけたペアです。男の子は袴に松の柄、女の子は着物に楓の柄があったのでそのまま名前にしました。
顔つきから、女の子の方が古く、昭和20〜30年代、男の子はもう少し現代的で40年代位のような気がします。
女の子は胡粉の色の真っ白な顔です。汚れがひどかったのですが、白い顔のおかげで塗りが多少剥げても同じ色なので、拭き取る事が出来ました。男の子はシミがいっぱいあります。
花
銘無し
38cm
松くんと同じ大きさ、そっくりな丸顔、垂れ目で、着物さえ振り袖だったらペアに見えそうな子です。
時代の顔というのはあるのでしょうね、庶民的な印象の可愛い幼顔です。
なかなか風情のある手作りの着物を着ています。
八重
銘 松風 昭和 35cm
小さいながらも正装の子です。人絹の着物、庶民的な丸顔、花ちゃんや松くんに共通するいかにも戦後の新しい好みを反映しているのが、今見るとかえって古くさく見えます。
初めて厳重に釘や糊で留めてある着物の下を確認すると銘がありました。
美衣
2代目松乾齊東光 12号43cm
1985年春に娘の初節句の為に買ったペアーのうちの女の子です。現代作家もの・・・なんですが、2代目東光さんも既に故人となられ、今は3代目東光さん・・・時の流れは早いものですね、
この子は奇麗な子と可愛い子と呼んでいるタイプのうちの奇麗な子なのだと立川のデパートに出店してらした方(2代目東光さんの息子さん)が教えて下さいました。貧乏で予算が間に合わなかった私の為に着物を化繊のものに変えたり、親身になって相談にのって下さったので、今ここにこの子が居ます。
この写真の着物は後から仕立てて頂いた正絹の着物です。
比呂
2代目松乾齊東光 12号43cm
娘の初節句に買ったペアーのうちの男の子。お雛様の代わりのお人形ですからやはり、男の子がいないとね!
お雛様にかこつけて、前々から欲しかった東光さんの市松人形のペアーを手に入れてしまいました。昔からの伝統的な手法で作られたというだけあって、よくある量産型の市松人形よりずっと個性的なお顔です。
完全に手作業だと、同じ子顔の子は二人と居ないのかもしれません。
優香
銘無し
昭和初期
40cm
目はガラスの義眼ではなく、古いタイプの薄い球面ガラスの裏側から瞳、虹彩、白目の順に
彩色したもの。
千花
銘無し 昭和初期(昭和14年頃)40cm
腰巻きの代わりに古新聞が巻かれて釘留めされていました。新聞は昭和14年9月12日火曜日、「海鷲の大軍猛爆」、
「来年の春場所から大相撲の東西制復活」などの記事があります。昭和14年(1939年)9月というと、ヒトラーがポーランドとの戦闘開始を告げ、
ドイツ軍がポーランドに侵攻開始した頃で、日本は長引く日中戦争の最中でした。
幸
銘無し  大正時代 53cm
昔代官山にあった専門店で求めた子です。福くんと一緒に家やってきました。
そのお店からはリリアンちゃんや、マリーちゃん、御所人形など、何人も迎えています。
娘が初節句の頃は貧乏だったのに、5年もすると、赤ちゃんの世話から解放されて、私も働けるようになり、まだ続いていたバブル景気で私のイラストのお仕事も沢山あったのですね。振り返って見ると自分の人生に社会の縮図が見え隠れします。
福
銘無し
明治時代
三つ折れ人形
30cm
顔にはカビらしいシミ、
絹のすが糸の毛はまばら、目もくもり、着物はぼろぼろ・・・欠点だらけです。
最初怖いとさえ思ったのに今はとても品良く、可愛く見えます。
幸ちゃんと一緒に怪奇漫画雑誌に写真が載った事があります。この子の周りで怪奇現象が起こるという訳ではなく、ムード出しの撮影小物としてです・・可愛いのに。
この子達が家に来る前ですが、店頭でその雑誌の表紙を見てを思わず買ってしまいました。その時は、まさか自分のものになる子だとも知らず、その写真ページを大切に切り抜きました。今も持っています。
舞、真奈
銘無し 昭和 78cm
市松人形としては一番大きいサイズだろうと思います。昭和も戦後の成長期にはこういう大型のものが好まれたのでしょうか?二人とも裸でした。右の真奈ちゃんは鼻の頭が欠けており、左の舞ちゃんは胸から頬にかけて黒い絵の具のようなものが1直線についていて、手足などは紙を被った真新しい状態でした。
無事修理し、子供用の古着を揚げをして着せています。真奈ちゃんのエプロンは少し大きいですが、娘が幼稚園の時していたものを使っています。
新
新山作 戦前74cm
昔もこんな大きな子は居たんですね。裸に、1枚の布で作った防空頭巾姿で出て来た人形です。戦火をくぐって来たのですね、
全体にぼろぼろでした。実は取れかけている手をまだ直していない事に気付きました。とりあえず、赤ちゃんの着物を探して着せてしまって安心して忘れたようです。張り子のような技法で作られているので、とても軽いです。鳴き笛が生きていてキュッと音がして驚きました。
梅
梅林齋 昭和
57cm
この子も大きな子です。
新ちゃんよりは新しいように思いますが、同じように口元に歯がついています。裸だったのですが、合う着物がなくて、ちりめん風風呂敷2枚で着物にしましたが、あんまり良くないので、もう少し可愛くしてやりたいところです。
道
徳秀作 50cm
大正〜昭和初期? この子も歯があります
木綿ですが丁寧に仕立てられた綿入れの着物を着ています。昔の人の和裁の腕には感心させられます。
文
銘 松風 35cm大正〜昭和初期
帯を解いてみて初めて着物が丹念な手作りで帯揚げまできちんとしている事に気が付きました。
腰巻きがわりに薄い和紙が巻いてあり、何か印刷物なので広げて見ると「孟子曰く・・」と難しそうな漢文でした。
鶴丸
銘無し 昭和 28cm
頭のおかっぱが取れて、もみあげだけのハゲ丸くん状態でした。修理に足したのは私の髪。だいたいロングヘアーが多かったので時々そういう理由でちょっと切りました。帯が無かったので作りましたが、鶴の模様なので、ハゲ丸改めて鶴丸くん。
光
2代目松乾齊東光 10号38cm
おひな様の代わり買った最初の2体は、飾る時ににぐらぐらせずにしっかり立てる、お座りの出来ないタイプの子でした。
後に、銀座かぶきやに出掛け、一番顔の気に入った座れる子を裸で買って、着物を縫いました。
2代目東光さんの時代ですが、店にいらした息子さんが、これは私が作った子、とおっしゃっていました。同じ工房、銘でも顔を描く人は何人かおり、それぞれに個性があるのでしょう。
彩
2代目松乾齊東光 10号38cm
光くん一人じゃ寂しそうなので、かぶきやさんが、また立川のデパートに出店した時に求めた同じサイズのおすわり出来る女の子。この子も着物と足袋を縫いましたがウールなんで、ちょっと可哀想です。この時デパートで相手をして下さった方は前にいらしていた方の弟さんでした。ちょっとまけて頂いたと、交渉すると兄貴もしょうがないなあと言ってらっしゃいましたが、やはり少し勉強して頂いたような・・・記憶が定かじゃありません。
萌
昭和 27cm
はいはい人形なので、市松では無いのですが、よく誕生祝いの縁起物として、一緒に販売されていたりするので、入れさせてもらいました。
身体と顔は一体ですが、手が動きます。
古風で品の良い顔立ちが気に入っています。
晶、郷
昭和初期 43cm
銘未確認、多分無し
2009年6月に近所の骨董屋さんから購入したペアー、私が買った最後の市松人形です。
ペアーとして長年ケース入りで飾られて来たようですが、明らかに違う作者のもので、女の子は初代東光っぽい顔立ち、男の子は平田郷陽っぽいと勝手に思っています。ぽいで満足です。
郷
店のオーナーさんは詳しくないそうで、大正時代と言っていましたが多分昭和初期と思います。
男の子だけ、睫毛が植えられています。顔も彫刻的な正確さがあり、皮膚の下の骨格や目蓋の下の眼球、顔の筋肉等が感じられ、素晴らしい出来です。手などもぽっちゃりと厚みがありリアルです。
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・・これで、ほとんど全てです。まだ、ご紹介出来ない子もありますが、そのうち修理を終えましてから・・・。

 

最後の郷くんを手に入れたら、満足して、むやみに欲しいという事が無くなりました。写真では魅力がうまくお伝え出来ないのが残念な、生き生きとした表情の素晴らしい子です。

 

 

潜水艦の窓

サクラビスクの部屋

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2000年6月1日開設
2016年2月22日 移転
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