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アンティークビスクドール

    の部屋3


 様々な人の手を経て、時を超えてきたお人形達は、それぞれの歴史を背負った姿でやって来ます。

沢山遊ばれてドレスも髪もボロボロの子、靴が片方壊れている子、持ち主だった誰かが作った手作りドレスの子、ショップで真新しいドレスと靴に着替えさせて貰った子。

 自分の所にいるかぎりは、なるべくベストな状態にしてあげたいと思うものの、何がベストか? というのも、色々考え方があるものです。全てオリジナルが望ましいと思う方もあれば、全て新品の方が気持ちが良いと言う方もあるでしょう。 

 私個人としては、その中間くらい、まあ、あんまりピカピカではなくて適度に時代がありそうな、なんとなく似合うムードで、なるべく奇麗に、オリジナルが残っていたら、大切に・・・と言った感じです。

(この様な考え方に辿り着くのに、少し時間がかかっており、はじめてアンティークドールをて手入れた頃、ポイと捨ててしまったぼろきれの様なリボンなどが存在します。)

 オリジナル度が高い程、購入時高価ですので、あんまりそういう子に会えないという実情もありますが、家に来た時乱れていたお人形の姿を少しずつ整えてあげるのも、お人形遊びの楽しみの一つと思っています。

 ところで、ショップでドレスや靴を揃えてもらったのに何故か被せて貰っていない事が多いのが帽子。

素人が手作りしにくいのも帽子、そして買おうと思ったら、案外高価なのも帽子。

 そう、この案外高価という所がショップで誂えて貰えなかった理由でもあるんですね、

 そこで、いっそ、お人形の帽子(ボネ)を作ってしまいましょう、例え裁縫が苦手でも、・・・と素人なりに適当にやってみたのがこのベルちゃん(エデンベベ)のボネ。

 案外見栄えがするではありませんか(自画自賛)、調子に乗って以前作り方をUPしていたのですが、HP併設のブログ消滅とともに消えたし、恥ずかしいから良いかなと放置しておりました。

 もう一度記事を見たいと、まさかの、有り難いご意見をお寄せ戴きましたので、張り切って再度ページを作ってみました。

 

 

​ぶきっちょがズボラに作る

  超簡単ボネ

先ずは再現して縫ったボネの完成形をご覧下さい、

Bが以前縫ったものでレースは違いますが、ベルちゃんのものと同じ布で同じ寸法に作っています。

Aが今回縫ったもの、より豪華にしようと、同じ生地ですが、たっぷり使ってみました。

でも、あまり成功していませんので、Bのベルちゃんと同じサイズで作る方が楽です。

​(レプリカのお人形は顔の割に頭が大きいので、縦の長さを大きめに取った方が良いかもしれません。お人形に合わせて調節して下さい。)

A

B

​布は着物の胴裏の絹地を用意しました。

張りのある生地でないとフリルを寄せても生地が立ち上がらず奇麗な形になりません。

Aは生地が多いとどうしても分厚くなってしまい、縦の長さを多くしたにもかかわらず、ボネ本体部分が、窮屈になりました。

寸法表にはこの位なら大丈夫かなと、若干足して書いています。(生地の厚みで前後するかもしれませんが)

それでは、ご一緒に

作っていきましょう

B  55cm
 A 73cm

B  21cm
 A 26cm

1 

用意した布を裁断する。

人形の頭の周りに布を巻き付けて様子を見ながら、適当に切って良い。書いてあるサイズはご参考まで。

因みにベルちゃんの頭周りは32cm程です。

2 

長い辺の一方だけ、端の5mmくらいを内側に折り、アイロンをかける。更に5cmの所を内側に折りアイロンをかける。

霧吹きをして高温でさっとかけると、きれいに折り目がつく。

こちら側がボネの内側になります。

3 

折り返した5cmの所の端をまっすぐ縫う。

布が三重になっているので縫いにくいが、小さめの針目で少し丁寧に縫う。

糸を引いて縫い絞りながら縫うので、それほど長い糸は必要無いが、頭周りと比較して間に合う長さにする。

折り返した布がズレてくるので、まち針でとめて縫うと失敗しない。

​縫い終わって、寄せたフリルがボネのつばの部分になります。

​4 

縫い終わったら、お人形の顔周りに合わせて、一巻きしてみて、絞り具合を調整し、糸の長さを決めて玉止めをする。

6 

さらに3cmくらい離れた所を、平行にざくざく縫う。

​こんなひどい縫い目で大丈夫。両端は同じようにあけておく。

5 

4cmくらい離れた所を先ほどの縫い目と平行に、ざくざく縫う。

糸を絞ってしまうと見えないので、縫い目が曲がっても、大きさが不揃いでも、全く気にする必要なし。

​縫い始めと縫い終わりは端を後で内側に三つ折りにするので、1cmくらいあけておく。

​7 

仕上がった時をイメージしながら、顔に合わせて、糸の絞り具合をチェック

​8 

顔の左右になる両端を内側に三つ折りにして、まつり縫いする

​9 

残った長い辺の一番端を、少し丁寧に真っ直ぐ縫う。

後で強く引くので、太目の木綿糸等、切れないものを使用すると良い。

​布地は切りっぱなしなので、出てきたほつれた糸は切る。

​10 

縫い終わり、右端と左端を丸く繋げて引き絞る。

裏側から、何度か針を交差させるように入れて、縫い、しっかりと絞って糸を留める。

これで、本体部分を縫うのはおしまいです。

後は、レースで飾るだけ、裏も付けないし、針金も入れないし、長方形の布一枚で作るので型紙も要りません。私は布を裁つ時には、人形の顔に合わせて布を巻いて、目分量で測って適当にやっていました。

​11 

飾りのレースをつける。

タックの取り方で必要なレースの長さが変わるので多めに用意するか、待ち針で留めて足りなくならない様に注意。

​アンティークぽい生地には化繊の真っ白なレースは似合わないのですが、今回アンティークレースが無かったので、窓辺に吊るしておいたレース(適度に日焼けして古び、生地と違和感が無くなる)を使っています。

先ず、ボネをひっくり返して表側にしてフリルの端にレースをつけていきます。

幅広のレースの真ん中にタックをたたみながら縫い付けます。

​この時なるべく裏側の針目が奇麗になるように気をつける。

この部分は布が2枚になっているので、表側の1枚にだけに縫い付ければ裏は奇麗なので、器用な方はそうして下さい(私には無理)

ベルちゃんのボネが見栄えがするのはアンティークのレースをたっぷり使ったおかげです。

​縫い付け終わったのがこちら、Aがそうです。今回はこれで完成としました。

先に縫ったBのボネには普通の綿レースをさらっと付けただけなので、地味な印象になっています。

​更に、ベルちゃんのボネにはもう一手間かけましたので、次にご紹介だけ致します。

A

B

​12 

(今回やっていない工程です)

再度裏返し、裏側のつばの元の部分にタックをとりながらレースを縫い付ける。(赤線)

ベルちゃんの写真で顔まわりに下がっているレースがそうです。

外周りにつけたのとは違う種類のアンティークレースを使っています。

​完成

最後にボネを被せて、幅広のレースをリボンにして、頭に縛るように結ぶ。

この時、フリルを寄せたり引っぱったりして、ボネが良い形になるよう調整する。

この調整で案外印象が変わるので、これで良いという形が出来たら、帽子とリボンのレースをざっと縫い付けても良い。

その時、ベルちゃんの場合はフリルの角を内側の顔の方に倒してピンと外に跳ね出ないようにしています。(画像参照)

​今回はアデーレちゃんのものになりました。(右)

​絹のリボンと造花をハットピンでボネに留めて飾り、リボンで結びつけるのはしていないので、フリルが若干下向きになります。

​おまけ 

こちらは、シモーヌちゃん、この子のも作りました。下図のような丸とベルトのような長方形から出来ています。

ボネというよりベレー帽ですが、これも超簡単で型紙要らずです。

​丸の縁(赤い点線)を縫った後、縫い縮めて、ベレー帽のような形にします。

その後、ベルトのような輪っかを縫い綴じて、頭まわりぴったりに作ります。

後は二つを縫い付け、手持ちの作家もののブローチ(布やボタンやビーズで出来ていて、結構高かったけど使って無かったもの)と羽を飾りました。もっと素敵な羽根飾りにしたかったのですが手に入らなかったので、とりあえず100円均一の羽のハタキを買い、めぼしいのを引き抜いて使っています。言わなければ掃除道具とは判らないレベルに素敵に出来たと思っています。

似た色と素材を選んでいますが、後付けの帽子なので、良く見るとドレスと少し生地が違ってい流のがわかると思います。

アンティークドールの部屋4

覆刻ページ、リリアンちゃんの下着

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