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 ​2021年6月

 ​母のこけし

 我が家にはたくさんのこけしがありますが、今回は母のこけしをご紹介いたします。

 母はお人形や可愛いものが好きでした。古びて捨ててしまって今は家にありませんが、ポーズ人形やフランス人形、瀬戸物の置物、ダッコちゃん、ぬいぐるみやお手入れわんちゃん・・・等、母が買ってきた当時の流行り物は枚挙にいとまがありません。

​ 引っ越しなどで捨ててきてしまったものが多い中、こけしだけが残っているのは、壊れにくい、汚れにくいということもありますが、母が比較的晩年に買い求めたものだったということが大きいと思います。

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この卯三郎のこけしが一番大きくて33cm、・・・多分これが一番新しいもので、母が元気で温泉旅行三昧だった頃に買って来たものです。裏に箱根温泉のマークのシールが貼ってありました。卯三郎という人は有名な作家で、これはとても良いものなのだと買って来た時嬉しそうにしていたのを覚えています。「森歓」という題と卯三郎作とうサイン入りの札が付随しています。母が60代から70代初めのこと、今から20年から30年くらい前のことだろうと思います。記憶がはっきりしないのは、母は自分の旅行記念のおみやげとして買って来て、ずっと自分の部屋に飾っていたからです。

​一番古いのがこの子守りのこけしで、はっきりしないのですが、かなり昔から家にありました。小さな可愛いお土産もので銘はなく、作家ものではありません。どこのおみやげか分かりませんでしたが、今回後ろに文字が入っているのを発見しました。「奥相模湖」とすると、父に連れられて家族で日帰りで遊びに行った時なので、これは50年くらい前のものだろうと思います。

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このこけしが母の最初に買って来た作家もの作品です。小さいものからだんだん大きなものになったような・・・

​志藤尚山という作家さんの「雪ん子」しきりに素敵だと言っていました。

​小さいけれど高かったそうです。

作家もの創作こけしに嵌ったきっかけの作品です。山形の雪国育ちの母にはこの雪帽子姿は郷愁でもあったのでしょう。

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そしてこれが、栗林一雪のこけしです。

日焼けしてしまって色が褪せていて残念なのですが、新しいうちは木目が綺麗なだけでなく胴には、細い線描きの木の葉の輪郭にオレンジや緑の秋らしい色彩が入っていました。今は殆ど消えてしまっているのですが頭に赤い手絡(てがら)の飾りの模様も入っていました。

 このこけしは厳密には母が選んだものではなく母の5つ年上の姉である伯母のものです。遊びに行くたびに「素敵」と褒め倒したので、気前の良い伯母がくれたものです。

この他にも叔母がくれた佐藤翠崕作の背の高いこけしがありました。このネットで拾った画像のものと同じ物で、素敵な作品でしたが、背が高いだけでなくお団子の髪型で首を傾げている姿のせいで、とても不安定で、地震の度に転げて首が折れていました。直しても、直しても高低差のある転倒の衝撃で首が折れ、細い首は接着剤ではつかなくなって来てとうとう捨てられてしまいました。重心がずれた斬新な立ち姿が災いしたのでしょう。叔母からのものですから、良いものだと思うのですが、残念です。

こちらが関口三作の童女という作品です。

どこのおみやげか不明ですが、母が気に入った子は皆何と無く似ています。

わりと地味な、木目が見えるようなナチュラルな色や、優しい顔が好きなようです。

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母の中の創作こけしブームは尚山のこけしから徐々に立派なこけしになって、大物の卯三郎こけしを買って来て以来、少し満足したのか、それとも帰り道の荷物が重かったからか、旅行のお土産はこけしではなく、饅頭とか煎餅とか、そう言ったありきたりのものに戻りました。

​叔母のくれたこけしもあって充実感があったのかもしれません。叔母の家からは重いので母の弟が車で運んくれたのかなあ・・・、母の兄弟姉妹もみんな元気で、母にとっては楽しい時期だったと思います

こうやって並べてみながら、ついこの間みたいな気がするあの頃の母と今のわたしがほぼ同じ年齢なのに気がついて、びっくりしています。

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2016年2月22日
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