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 ​2022年1月        

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​福の神

2・5センチ四方に収まる小さな木製の球体は開くと七福神の乗った宝船になる。

こけし職人の遊び心を感じさせる昭和っぽいミニこけし。

同じものをオークションで見かけましたが、岡山県倉敷市鷲羽山土産として出品されていました。これも鷲羽山のお土産だった物なのか、全国のお土産屋さんで販売されていた「いやげもの」の「甘えた坊主」的なものだったのかは、不明です。

なかきよの とおのねふりの みなめさめ

​なみのりふねの おとのよきかな

長き夜の遠の睡(ねむ)りの皆目醒(めざ)め
波乗り船の音の良きかな

昔、良い初夢を見るために宝船の絵を枕の下に敷いて寝る習慣がありました。私も子供の頃、折り紙で折った帆かけ舟を枕の下に敷いて寝た記憶があります。その折り紙の裏にこの回文歌を書いて寝ると良い夢が見られると言うおまじない。

​久々にやってみるのも良いかなと思います。

今年の初夢はいかがでしたか?私は回文無しでしたが、すごく長い鮮明な夢を見ました。

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新年は、おめでたい福の神をご紹介します。

ご存知、七福神・・・とは言えなんとなくしか知らないので調べてみました。

福をもたらす、恵比寿大黒天弁財天毘沙門天布袋尊福禄寿、寿老人、の七柱(神様は柱<はしら>と数えます)の神様のことで、民間信仰として室町時代に始まったのだそうです。

意外なことに完全に日本出身の神様は恵比須様のみで、それぞれがヒンドゥー教、仏教、道教、などに由来を持つ神様に日本の民間信仰や神道が混ざり合った神様だそうで、海を渡っていらっしゃったイメージから宝船に乗った姿で描かれることが多いようです。また、七柱の神様は別の神様が加わって八柱になったり、違う神様と交替していたり、変化がある場合もあって、神さま達には厳格な並び順の決まりもないのだそうです。色々な宗教が渾然一体となって混ざり合うのも、いかにも日本の民間信仰らしいおおらかさを感じます。

笑う門には福来たる、と書いた台座に乗った2cmに満たない福の神達。

これは、何年か前に可愛い小物なども多い、瀬戸物屋さんで見つけたものです。

小さいというのはそれだけで魅力ですね、

この小さな神様達に神様の由来とご利益の紹介を手伝って戴きましょう。

並び順の決まりは無いと言っても、なんとなく習慣的になっている並べ方があるようなので、それに倣ってご紹介いたしますね。

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恵比須 唯一の日本土着の神。恵比寿、恵美須、蛭子、夷、戎、胡、蝦夷、とも表記される。

大国主命の子供で釣り好きだった事代主神(コトシロヌシカミ 託宣の神、漁業の神、鰐神)、少名毘古那神(スクナビコナノカミ 大国主と共に国作りをしたとても小さな身体の神で、造り温泉の神)、伊邪那岐命伊邪那美命(イザナギノミコト・イザナミノミコト)の間に生まれた子供で、3歳になっても立つことの出来ない蛭子(ヒルコ)だった為に舟に乗せて海に流され、流れ着いた先で、大漁と福をもたらす漁業の神となったというヒルコ神。恵比須の正体は諸説あって、何だか、さっぱり分からない。何でも有りということか、後に福の神として、商売繁盛、五穀豊穣をもたらす神となった。釣竿、鯛を抱えた姿をしている。

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大黒天 元々はインドから伝わったヒンドゥー教の神様で、創造と破壊を司る最高神シヴァ神の化身の、マ・ハーカーラ(大いなる暗黒という意味で、ヒンドゥー、仏教、シーク教に共通の神)なのだそうです。(ダイコク大黒=大国)となり、日本神話の大国主命(オオクニヌシノミコト 出雲に大国を作った国つくりの神、須佐之男命スサノオノミコトの孫)と同一視されるようになりました。大国主命が、因幡の白兎を助けたお話は童謡にもなっていて有名です。大きな袋を背負って、打ち出の小槌を持ち、米俵に乗った姿で表され、財運福徳、五穀豊穣をもたらす神です。

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弁財天 弁才天とも表記される女神。インドのヒンドゥー教の水の神様サラスヴァーティが仏教に取り入れられ、守護神として仏教伝来時の経典の一つ『金光明経(こんこうみょうきょう)」と共に伝えられました。八百万(やおよろず)の神々は、様々な仏や菩薩の化身だという神仏習合の本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)では、弁才天は日本神話に登場する宗像三女神の一柱・市杵嶋姫命(イチキシマヒメ 商売繁盛、子宝、安産、芸能、金運、交通安全、海の神)と同一視されるようになり神社に祀られるようになりました。また宇賀神(ウガジン)という福の神である古来からの蛇神とも重ねられ、頭の上に白蛇を乗せて鳥居のついた冠を被った姿で表されるようになります。音楽・弁才・財福、縁結び、芸ごとの神です。琵琶を持った美しい天女の姿をしています。

毘沙門天 ヒンドゥー教のクベーラ。インド神話のヴァイシュラヴァナで、毘沙門は、ヴァイシュラヴァナを中国で漢字表記したもの。「よく聞く」の意味を持っているので、多聞天とも呼ばれます。古代のインドでは財宝神でしたが、中国に伝わり武神となりました。仏教では北方の守護神で、多聞天。東方の持国天、南方の増長天、西方の広目天とともに四天王の一尊で、四天王中最強だそうです。武装した勇ましい姿、厳めしい表情で表され、単独で祀られる時は毘沙門天と呼ばれます。御利益は、福徳、勝負運、金運、厄除け、健康、武運などです。

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布袋尊 の末期の明州(現在の中国浙江省寧波市せっこうしょうにんぽーし)に実在したといわれる契此(かいし、けいし)という禅僧がモデルとされています。日本に伝わると、福々しい笑顔と太鼓腹の風貌が愛され、水墨画の画題として好まれました。やがて、福の神として信仰されるようになり、生前托鉢をして歩いては寄付された物を入れていたという大きな袋を肩に担いだ姿で表されます。担いでいる袋から財を分け与えてくれる弥勒菩薩の化身とも考えられています。開運、無病息災、財運、良縁、子宝、夫婦和合の神様

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福禄寿 南極老人星(南極仙翁、寿星とも呼ばれる、りゅうこつ座α星のカノープス)を神格化した道教。福は子福(子宝に恵まれる)、禄は財、寿は長寿、という道教の幸福の考えを示している。お酒が好きな神様。余談ですが、カノープスは赤い星なので、(本当は明るい白い星なのですが空の低い位置にしか見えないので、大気の影響で赤く見えます)酔っ払い老人の化身に似つかわしく思えます。また、中国では滅多に見られない星なので、世の中が平和な時にしか見られない、めでたい星と考えられていたようです。長い頭に巻物を持った白い髭の仙人の姿で表され、福(安産、子宝)、禄(財運出世運)、寿(長寿)のご利益だけでなく、頭が長いので、学力向上のご利益もあるそうです。

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寿老人 道教の由来の神、南極老人星(カノープス)の化身とされ、長寿の後利益も、お酒が好きという逸話も、長頭の仙人風の風貌も福禄寿そっくりで、同一人物とされるというのは納得です。カノープスは、日本でも探しにくい星なので、私もカノープスを見つけた事がありません。北日本では地上に登らないので見られませんが、南に住む方はシリウスを目印に南側の開けた場所で、地平線すれすれのカノープスを探してみるのも良いかもしれません。見ると寿命が延びるのだそうですよ、高く昇る時間が10時代になる2月がカノープスを探す絶好の時期だそうです。

禅宗が伝わるとそれに伴い水墨画も隆盛を見ましたが、そこに描かれるのは鹿を従え、不老長寿を表す桃を手にしている仙人の姿でした。水墨画とともに寿老人が福禄寿とは別の仙人として認知されたようです。寿老人を七福神に加えない事もあるそうで、その場合、吉祥天(インドの美の女神)や猩々(大酒呑みの猿の霊獣)が入るそうです。

軽い気持ちで調べだした七福神、調べれば調べるほど訳が分からなくて、どこまで調べて何を書くべきか迷いました。至らないとは思いますが何とか一応のご紹介を終えまして、ちょっとホッとしております。

さて、こちらが我が家では一番古くからある恵比須様です。私が主人と結婚した時からあります。もっと言えば、主人が山形の田舎の家から大学に通うために東京に出てくる時、台所に並んでいた恵比須様と大黒様からポイっと適当にカバンに入れて持ってきたものだそうです。主人の狭い下宿の部屋で、何度かの引越しを経験しながらずっと一緒にあったもので、その前はいつからあったか分からない、物心ついた頃からずっと台所にあって、もしかしたらすごく古いのかも、明治とか、江戸時代とか?・・・という事でした。

​ブロンズみたいに見えますが裏を見るとテラコッタのようなちょうど植木鉢みたいな色の素焼きです。この黒い色が見映えのために着色したものなのか、長年カマドの横あたりに飾られていて染み付いた汚れなのかは不明です。​14cm

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これも来歴はわかりませんが、古そうな恵比須様です。赤茶けた素焼きに黒い色がついています。鼻の頭や、鯛に欠けや傷があり、赤いレンガみたいなザラザラの材質が見えていました。ちょっと墨を入れて目立たなくしています。11・5cm

​民間信仰に大黒宮を飾る習慣があり、主人の家もそうだったようで、主人は厨房の神様だと教わったと言っていました。

インドでも恐い神様では無い側面を持った小さな大黒天が寺院の台所に祀られるという事があったそうで、それが天台宗に伝わり比叡山の天台宗寺院の台所に大黒天が祀られるようになり、いつしか庶民の間にも広がったようです。恵比須とセットで飾られていたので、主人がどちらも台所の神様だと思ったのでしょう。

飾る時は恵比須様が向かって左、大黒様が向かって右になるように飾るそうで、大国主命が父親で偉いので、そうなるのだそうです。恵比須=事代主神説ですね。

この古ぼけた恵比須様は私が、たまたま通りかかって見かけた古物店から買いました。家にあったのは確か鯛を持っていなかったから大黒様だったなあとうろ覚えで、それじゃ偶然出会ったのもご縁だから、恵比須様もあった方が落ち着くと買ったら、両方とも恵比須様でした。私は全然像を見ていなくて、​厨房の神様だって言ってたのは、主人の間違いでした。

田舎の家に恵比須様を返せば良いのではと思ったのですが、ある時主人が田舎に帰ると立派な大黒宮が新調されており、台所兼居間のリビングダイニングの高い場所に、真新しい恵比須様と一緒に古い大黒様が祀られていたそうです。

勝手に持って来ちゃって悪かったかなあと言ってました。そりゃ、悪いに決まってるだろと突っ込みたくなりますが、主人の家は万事そんな感じで、鷹揚というか適当というか、私から見るとまるで異文化で、驚く事が多いです。今だに恵比須様が我が家にある事、知らないんだろうな、

​多分恵比須様が行方不明になったので、申し訳ないと思って、大黒宮から新調したのじゃ無いかしら。・・・そんな訳で恵比須様は返せなくなっています。

そして、これが我が家の大黒様。とても立派です。オークションでポチりました。

これも来歴不明の古いもので、素焼きじゃ無いかと思うのですが、漆か何かで少し厚く塗って彩色してあって、剝げているところも古色が出ていて良い感じです。なによりも穏やかな顔が気に入っています。ネット画像だけで買ったので、大きさが想像出来なくて恵比須様と高さ4cmの違いというのは思っていたより大きく、並べるとこんな感じです。両脇に恵比須様を従えているようで、一際偉そうです。18cm

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2016年2月22日
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